2026/06/16
制作費1/10、納期1ヶ月で成果も改善。MiiTelのAI CM動画が広告の常識を変えた話
株式会社RevComm
MiiTel マーケティング担当
野田あづささん

AI技術の進化により、動画制作の選択肢は大きく広がっている。しかし実際に「AIでCM動画を作ろう」と号令をかけ、実行まで至る企業はまだ少ない。音声解析AI「MiiTel」を提供するRevComm社は、VIOLETとともにAI動画制作に挑み、従来の常識を覆す成果を出した。Miitelマーケティング責任者の野田あづささんに、プロジェクトの裏側を聞いた。
目次
- 「AIで作ってみようよ」── 社長の一声から始まった
- 制作費1/10、納期1ヶ月の衝撃
- AI制作は「純度が高い」
- 「言い合える空気」が、プロジェクトを前に進めた
- AIに「任せられない」もの

実際の制作動画「AIが商談同席してアシスト」篇(動画リンク)「私たちがチームでアシスト」篇(動画リンク)「営業あるある課題」篇(動画リンク)
「AIで作ってみようよ」── 社長の一声から始まった
── まず、AI動画制作に踏み切った経緯を教えてください。
野田さん:RevCommでは、社長自らが「AIでできることは積極的にやっていこう」と号令をかけています。テキスト業務の効率化はもちろん、Claudeのアカウントを全社員に発行して業務改善を推進するなど、AI活用そのものを全社プロジェクトとして進めています。その一環として「動画もAIで作れるんじゃないか」という話が自然と出てきました。
── AIでCM動画を作れる確信は最初からありましたか
野田さん:コカ・コーラがCMをAIで作ってるんだからうちもいけるでしょ。というトライ精神でした。基本的にうちは「やってみてダメなら戻せばいい」というスタンスなので、「本当に大丈夫なの?」という声は特になかったですね。
むしろ、AIのチャレンジングな取り組みは部署を超えてシェアされるような文化なんです。
制作費1/10、納期1ヶ月の衝撃
── 通常のCM制作プロジェクトと比べると、スピード、質の違いはいかがでしたか
野田さん:総合代理店に依頼すると、企画からキャスティングを含めて半年近くかかりますが、今回は1か月で完成したのは正直驚きでした。しかも4本も。制作費も約1/10だったので、「1ヶ月でここまでのクオリティのものが作れるのか」と、社内でも大きな反響でした。期待以上のものができたと思っています。
── セルフでAI動画を作るのとは仕上がりが違いましたか?
野田さん:全然違いますね(笑) 自分で生成AIを使って動画を作ると、いかにも「AI製です」という仕上がりになってしまうんですが、今回の仕上がりは流石プロという感じでした。やはりプロのディレクターにAIをディレクションしてもらったことで、カット構成や演出にプロの手が入り、完成度がまったく違いました。経営層からも「思ったよりクオリティが高いね」というコメントをもらっています。

AI制作は「純度が高い」
── 従来の実写撮影とAI動画制作では、何が一番違いましたか?
野田さん:企画の純度の高さですかね。実写の場合は絵コンテや撮影など映像として形にするまでに時間がかかるので、制作過程でいろんな人の意見が入って当初の企画から結構変わったりするんですよね。でもAI制作だと、企画段階から完成に近いビジュアルが上がってくるので、社内の関係者との合意も取りやすかったです。今回も細かい修正はありましたが、ほぼ企画がそのまま実現されましたよね。
VIOLET・稲葉:従来の撮影は企画が徐々に「丸く」なっていきますもんね。でもAI制作は企画者の意図がダイレクトに反映されます。今回も企画時点で「これが一番熱い」と企画者が思ってるものがそのまま形になって、成果も一番よかったですもんね!
── スタートアップとの相性はいかがですか?
野田さん:一方、AIも修正を重ねるほど時間もコストもかさむ特性があります。だからこそ、「伝えたいことが伝わっているか」を重視し、スピード感ある意思決定ができるスタートアップには特に向いている。大企業のように承認フローが長く、細部にこだわり続ける文化だと、むしろ従来の実写撮影の方が合うかもしれません。
「言い合える空気」が、プロジェクトを前に進めた
──今回のプロジェクトがうまくいった要因は何でしょうか?
野田さん:いくつか要因がありますが、一番大きいのは社内のコミュニケーション環境が変わったことだと思います。VIOLETさんが入ってきて、率直かつ冷静に意見を言い合える空気に変わってきた感じがします。
事業の成果を出すうえで、スピード感と忖度のないコミュニケーションが嬉しいスタートアップは弊社だけではないと思いますが、今回のプロジェクトではそれが特に効いたと感じています。
── VIOLETとの連携で良かった点は?
野田さん:そうですね。まず、普段からプロダクトチームや他部署とも密に関わってくれているので、商品理解の解像度がとても高かったことですね。AIでの事前アウトプットを企画段階から何度か出していただいたことで、経営層を含むさまざまなバックグラウンドの関係者への説明もスムーズに進みました。
VIOLET・小川:今回は、プロダクトチームから「現場の課題感」を直接聞く時間を十分に取れたのが大きかったですね。仕上がりはAIのトーンですが、訴求している内容には人の想いがちゃんと乗っている。AIを使うにしても、人が必ずヒアリングに行く工程と、AIが代替する工程を切り分けた上で、人がいる部分の比重を大きくしていく。それが結果やクオリティに直結したと感じています。

AIに「任せられない」もの
── AIの活用が進む中で、組織はどう変わっていくと思いますか?
野田さん:AIでアウトプットを量産できるようになると、つい思考停止に陥りがちです。「なぜ私たちがやるのか」「この施策で何を伝えたいのか」そういったコアの部分を深く考えられる人材が、ますます求められると思います。ジュニアメンバーの採用は狭まる一方で、プロジェクト全体を設計・推進できるシニア人材──他部署と合意を取り、外部を巻き込んで自走できる人が圧倒的に必要になってきます。
VIOLET・稲葉:まさにそうで、プロジェクトの意思決定ができて、最後まで責任を持てる人材は、ますます貴重になってますよね。でも、そういう本質的な課題に向き合えるタフな人材ほど、なかなかフルタイムでは採用できない。VIOLETは、そういった経験豊富なプロフェッショナルたちとゆるくネットワークを形成して、必要なときにいつでも繋がれる分散型マーケティングチームなんです。今回のRevCommさんとの取り組みは、まさにそういう人たちが輝ける場をいただけたプロジェクトだったと思っています。
野田さん:AIはあくまで手段であって、目的ではありません。背景や「何を伝えたいか」をちゃんと整理してAIにディレクションしないと、結局使えないアウトプットが出てくるだけ。人間が頭を整理して初めて、AIも力を発揮してくれる。そこは人への指示出しと同じですよね。
── 本日はありがとうございました
VIOLETは、クライアントの事業に深く入り込みながら、AI技術とプロフェッショナルの知見を掛け合わせたクリエイティブ支援を行っています。今回のRevComm様との取り組みは、AI時代のマーケティングにおける新しいチームの在り方を示す事例となりました。
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